2014年1月7日火曜日

44日目②@インド バナラシ カルマと火葬場

この街のだいたいのスポットは抑えていた。しかしながら、火葬場に長居をしてみたいと言う興味が私にはあった。

生と死が隣り合わせの国インドのイメージがここバナラシにはある。
変かもしれないが、それをじっとみてみたかった。

水浴びするガンガーの洗濯屋


私は火葬場のガートに腰を降ろした。
燃え始めて間もない肉体の前である。
足と顔から若い人だと思う。
その他六体分の煙が、目の前には上がっている。
燃えるのを待つ家族も沢山いる。

火葬場の周辺を隠し撮り
※燃えてる人を絶対にとってはなりません。親族に殺されます、まぢです。


燃えているのは、何ら不思議ではなかった。火葬場なのだから。
長時間いると違和感として感覚をえぐってくる。

火葬場ガート周りにはマキが積まれている


足の色が燃えるに連れ、小麦→白→黒に変化。その様は、自分が肉であることを教えてくれる。

まだ運ばれて間もない死体の周りには、故人の家族だと思われる女性はグェングェン泣き。男性が無言で白檀を死体に巻いている。
その横でオス犬がメスを巡りギャンギャン喧嘩する。
勝った犬は彼此三十分は腰を振る。

羊が餌を巡り、ベェーベェー鳴く。ゴツゴツと頭突きし合う。

チャイを飲み談笑する人もいる。
観光客は神妙な面持ちだ。



燃える体に目を戻すと、スタッフが本を閉じるように脚から180度折りたたむところであった。
火は加速し、マキなのか、腕なのか、脚なのか、もはや分からない。

一時間位そこにいた。




と、1人の男が話しかけて来た。名をアプーといった。
カルカッタ生まれだがグランドマザーが亡くなったので、バナラシで火葬をまさにこれから行うと言う。

彼とはその後火葬場で二時間ほど話した。その中の聞き取れたことを列挙する。

・女性は悲しみ、泣き叫ぶので普通は火葬場には連れてこない
・今日は偉大な日である。悲しくなくはないが、とてもハッピーな日だ。
→残された家族悲しい顔をしていたら、天国のグランマはもっと悲しむ。
だから気丈に振る舞う。でも悲しくなくはない。
・マリワナはシバ神と同じようにパワーフルになる効果がある。
・シバ神は一夜に48手のスタイルでセックスをできる
・白檀やギーなど葬儀の備品は高価なので、低所得層は電気を使って焼く
・成人にならない死者は、ガンガーに重りをつけて流す
→実際に見ました
・インド人はツーリストを騙して金を取る。これは非常に良くないことである。彼らの国に行けば我々がゲストだし、インドに来てくれているのだから、大切なゲストとして迎えなくてはならない。
・損得勘定ではなく、与えることがカルマを良くする
※カルマとはざっくり言うと魂のレベルのこと

.etc


どれも興味深い話であった。普通のインド人なら裏が有り、金をせびるのだが、彼は違った。
私の目の前に彼のグランマもいた。
彼には金がないと言うことを伝えるとチャイを合計三杯もご馳走になり、ビーリーも数本いただいた。
※ビーリーとか安い葉巻みたいなやつ

そして、家族が死んだ話をして貴方を悲しませているのでしたら申し訳ない。と時折気を使っていた。


彼の話の中で、家族に対する感謝の念、そしてインド人のカルマに対する考え方が特に印象的であった。

彼はグランマの火葬の準備が整うまで、市内を案内してくれ、彼の仕事先も見せてくれた。

色々とよくしてもらったので、彼の店でお茶をし、日本のツルを彼とグランマ捧げる形で手渡した。

家に帰っても彼の話が頭の中をぐるぐる回っていた。

家族とは?
カルマとは?

今日は偉大な日だ。ハッピーな日だ。。。
そんなことが親族が死んだ日に言えるか。





バナラシ火葬場
煙★★★★☆
臭い★★☆☆☆
インパクト★★★★☆

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